ドローンによる熱画像空撮からラボ試験へ

本プラットフォームのクラウド型ビジョンシステムは、熱画像空撮によって検出された欠陥を正確に分類・位置特定することができます。 先日、台湾・高雄にある屋根型太陽光発電システムを解析したところ、2024年に実施した熱画像空撮点検で、1.28%のモジュールにサブストリングの開放回路不良が確認されました。 その後、2025年に一部の異常モジュールを抽出し、高雄・路竹にある財団法人電信技術センター内の太陽光発電ラボに送付してEL(エレクトロルミネッセンス)測定を実施しました。送付した6枚すべてのサンプルで異常が確認され、検出精度は100%となりました。

EL測定の初期結果によると、屋根型太陽光発電システムのモジュールは、地上設置型や水上型システムと比較して日中と夜間の温度差が大きいことが分かりました。8年間の稼働と数千回に及ぶ熱膨張・収縮サイクルを経て、モジュール内部のセルとバスバーの接続部が緩む可能性があります。 この接続部の緩みにより抵抗値が上昇し、運転時に高い抵抗によってバイパスダイオードに順方向の電圧がかかり、ダイオードが導通します。ダイオードが1つでも導通すると、モジュールの出力は1/3失われ、状況によってはモジュール全体が発電しなくなる可能性もあります。

本事例は、熱画像空撮とラボ分析を組み合わせることの利点を示しています。熱画像空撮によって異常率(本ケースでは1.28%)を容易かつ迅速に把握でき、さらに抽出したモジュールの実験室測定によって、公正で客観的な分析結果を得ることができます(本ケースではモジュールの信頼性に起因する可能性を示唆)。 これらの情報は、今後の問題対処や修繕方針の策定に大いに役立ちます。

返信を残す